2025年5月23日、カローラクロスのマイナーチェンジ情報がトヨタから正式に発表されました。
今回のマイナーチェンジでは、スポーティーグレードである「GR SPORT」が設定されたことや、ハイブリッドモデルに統一されたことが大きな特徴です。
本記事ではマイナーチェンジ後のカローラクロスに関する、グレードの違いについて解説します。
カローラクロスの購入を検討している方や、グレード選びに迷っている方はぜひ参考にしてもらえればと思います。
※マイナーチェンジの概要については【カローラクロス】マイナーチェンジ正式発表!変更点や色・スペックをざっくり解説!を参照していただけますと幸いです。

グレード構成・価格
グレード構成はエントリーモデルの「G」、上級モデルの「S」、最上級モデルの「Z」、スポーティーモデルの「GR SPORT」の全4グレード構成です。
今回のマイナーチェンジに伴いガソリンモデルは廃止され、ハイブリッドモデルに統一されました。
グレードと価格をまとめると、次の通りになります。
グレード名 | 車両価格 |
---|---|
GR SPORT | 389.5万円(E-Four) |
Z | 343万円(FF) 368.9万円(E-Four) |
S | 298万円(FF) 323.9万円(E-Four) |
G | 276万円(FF) 301.9万円(E-Four) |
※「G」・「S」・「Z」についてはマイナーチェンジ前のハイブリッドモデルとの比較
選べる色と費用
マイナーチェンジ後は全グレードとも8色に統一されました。ただし、「G・S・Z」と「GR SPORT」では若干ラインナップが異なります。
また、一部の色は追加費用が発生します。
表にまとめると、次の通りとなります。
色名 | 選べるグレード | 追加費用(税込) |
---|---|---|
プラチナホワイトパールマイカ | 全グレード | 33,000円 |
アッシュ | 全グレード | なし |
マッシブグレー | 全グレード | なし |
ブラックマイカ | 全グレード | なし |
エモーショナルレッドⅡ | 全グレード | 55,000円 |
メタルストリームメタリック | G・S・Z | なし |
クリアベージュメタリック | G・S・Z | なし |
マッドバス | G・S・Z | なし |
ブラック × プラチナホワイトパールマイカ | GR SPORT | 77,000円 |
ブラック × アッシュ | GR SPORT | 55,000円 |
ブラック × エモーショナルレッドⅡ | GR SPORT | 99,000円 |
()内はカラーコードを示す。
スペック
「G・S・Z」と「GR SPORT」で大きく異なるのが「排気量」「フロントモーター出力」です(リヤモーターは同じです)。
「G・S・Z」に関してはマイナーチェンジ前と同じ1.8Lエンジンを搭載していますが、「GR SPORT」に関しては2.0Lの現行プリウスに搭載しているエンジンと同形式のものを採用しています。
車両重量としては最大100kgの差ですが、「GR SPORT」のエンジン出力は他のグレードと比較して約1.55倍大きい出力を誇ります。
走行性能を重視するのであれば、「GR SPORT」を検討してみても良いかもしれません。
項目 | 数値(Zグレード) | 数値(GR SPORT) |
---|---|---|
全長 | 4,455mm | 4,460mm |
全幅 | 1,825mm | 1,825mm |
全高 | 1,620mm | 1,600mm |
ホイールベース | 2,640mm | 2,640mm |
車体重量 | 1,400kg(FF) 1,490kg(E-Four) | 1,500kg(E-Four) |
最小回転半径 | 5.2m | 5.2m |
排気量 | 1,797cc | 1,986cc |
エンジン最高出力 | 98PS(72kW)/5,200rpm | 152PS(112kW)/6,000rpm |
エンジン最大トルク | 14.5kg・m(142N・m)/3,600rpm | 19.2kg・m(188N・m)/4,400〜5,200rpm |
フロントモーター 最高出力 | 95PS(70kW) | 113PS(83kW) |
フロントモーター 最高トルク | 18.9kg・m(185N・m) | 21.0kg・m(206N・m) |
リヤモーター 最高出力 | 41PS(30kW) | 41PS(30kW) |
リヤモーター 最高トルク | 8.6kg・m(84N・m) | 8.6kg・m(84N・m) |
外装
タイヤ・ホイール


「Z」(左)と「GR SPORT」(右)


「G」(左)と「S」(右)
タイヤ・ホイールは、グレードによって異なるものを装備しています。また、「G」と「S」はタイヤ・ホイールのサイズは同じですが、「G」はスチールホイール+ホイールキャップであるのに対し、「S」はアルミホイールを装着しています。
表にまとめると、次の通りになります。
グレード | タイヤサイズ | ホイールサイズ | ホイール材質 |
---|---|---|---|
GR SPORT | 225/45R19 | 19×7½J | アルミ (ダーククリア切削光輝+ブラック塗装) |
Z | 225/50R18 | 18×7J | アルミ (切削光輝+ダークグレーメタリック塗装) |
S | 215/60R17 | 17×6½J | アルミ |
G | 215/60R17 | 17×6½J | スチール (樹脂フルキャップ付き) |
ヘッドランプ類


「GR SPORT・Z」(左)「S・G」(右)


センターランプ(左)とフロントフォグランプ(右)
ヘッドライトのデザインは「Z」・「GR SPORT」はフルLED、「G」・「S」はLED+バルブの組み合わせとなっています。
また、国内初である「シグナルロードプロジェクション」を装備しているのはフルLEDである「Z」「GR SPORT」のみです。
フロントフォグランプについては「Z」は標準装備となっています。また、「G」および「S」についてはオプション(+22,000円)で装備することができます。一方、「GR SPORT」については装備できませんので注意しましょう。
また、センターランプについては「Z」のみ、標準装備となっています。
リアコンビネーションランプ


「GR SPORT・Z」(左)「S・G」(右)
リアコンビネーションランプについてもヘッドランプ同様、「Z」・「GR SPORT」と「G」・「S」で異なるものを採用しています。
「Z」・「GR SPORT」についてはフロント同様にフルLEDとなっています。
「G」・「S」についてもテールランプとストップランプ(ブレーキランプ)についてはLEDですが、バックランプとターンランプ(ウィンカー)については従来ながらのバルブ式となっています。
内装(一部省略)
スピードメーター

「Z」「GR SPORT」に採用される
「12.3インチTFTカラーマルチインフォメーションディスプレイ」

「S」に採用される「7.0インチTFTカラーマルチインフォメーションディスプレイ」

「G」に採用される「アナログスピードメーター+4.2インチTFTカラーマルチインフォメーションディスプレイ」
「Z」「GR SPORT」が12.3インチTFTカラーマルチインフォメーションディスプレイ、「S」が7.0インチTFTカラーマルチインフォメーションディスプレイを採用しています。
「G」についてはアナログスピードメーターと、4.2インチTFTカラーマルチインフォメーションディスプレイとなっています。
ディスプレイオーディオ


10.5インチディスプレイオーディオPlus(左)・8インチディスプレイオーディオ(右)
「Z」「GR SPORT」は10.5インチの「ディスプレイオーディオPlus」が、「G」「S」は8インチの「ディスプレイオーディオ」が標準装備となっています。
ただし、「S」についてはオプション(+126,500円)で10.5インチの「ディスプレイオーディオPlus」に変更することが可能です。
従来のカーナビ感覚で利用したい方は、「10.5インチディスプレイオーディオPlus」を選ぶ方が安心と言えるでしょう。
「10.5インチディスプレイオーディオPlus」と「8インチディスプレイオーディオ」の違いは、車載ナビ搭載の有無です。
8インチディスプレイオーディオの場合、新車登録から5年が経過すると、コネクティッドナビ機能の使用に月々の支払いが必要になります(スマートフォン連携による地図アプリの表示は可能です)。
10.5インチディスプレイオーディオPlusの場合、新車登録から5年が経過しても車載ナビが搭載されているため、ナビ機能を継続して使用することができます(最新の状態にするには月々の支払いが必要になります)。
詳細はこちらをクリック(トヨタ公式のPDFが開きます)
左右独立温度コントロール付オートエアコン

「G」を除く全グレードに、左右独立温度コントロール付オートエアコンが標準装備されています。
運転席と助手席で個別に温度設定ができ、快適性が向上します。
尚、「G」の場合は後部席に空調吹き出し口がありませんので、3名以上で移動することが基本の場合は「S」以上のグレードを選ぶのがおすすめです。
シート




シートはグレードによって、材質や機能面に差があります。
「Z」は本革+ファブリックであるのに対し、「G」「S」はファブリックとなっています。また、「GR SPORT」については合成皮革+ブランノーブ(R)となっています。
シートヒーターについては「Z」「GR SPORT」に標準装備となっています。一方、シートベンチレーションについては「Z」のみ標準装備となっており、「GR SPORT」には装備されません。
また、シートヒーターの温度調整については「Z」は3段階調節であるのに対し、「GR SPORT」は2段階調節となっています。
今回のマイナーチェンジでハイブリッドモデル一択になったことから、シートヒーターは気温の低い冬季に重宝するでしょう。
安全性能
ドライブレコーダー


「Z」「GR SPORT」には前方ドライブレコーダーに加え、バックガイドモニター(バックカメラ)による簡易録画機能が標準装備となっています(後方カメラの録画映像は、バックガイドモニターがディスプレイオーディオに表示された場合に、表示中の映像が記録される仕様のようです)。
尚、「S」についても、前方ドライブレコーダーは標準装備となっており、簡易録画機能付バックガイドモニターは先述の「10.5インチディスプレイオーディオPlus」をオプション装備することで使用可能となります。
シグナルロードプロジェクション

「Z」「GR SPORT」には国内初となる「シグナルロードプロジェクション」が標準装備されています。
これは、路面上に進行方向を示すシェブロン(矢羽根)形状を照射することで、歩行者や周辺車両に対して自車の存在および方向転換先を分かりやすくアピールするというものです。
夜間や住宅街など、見通しの悪い交差点での効力が期待されています。
GR SPORTならではの装備(一部)
専用チューニング




「GR SPORT」には前後サスペンション回りを専用チューニングとしており、乗り心地の良さを残しつつ、優れた操舵応答性・操縦安定性を実現しています。
また、剛性アップパーツを装着していたり、専用ハイブリッドシステムを採用したりすることで、爽快な走りと低燃費を実現しています。
6速シーケンシャルシフトマチック・パドルシフト


「GR SPORT」はMT車のようにシフトチェンジを楽しむことが可能です。
MT車のようなシフトレバーによるシフトチェンジのほか、パドルシフトによるクイックなシフトチェンジも可能となっています。
スポーティーな内外装




外装面では専用フロントバンパーになっているほか、専用ブラックパーツの採用により、スポーティーさが増しています。
また、内装面では専用シートの採用やアルミペダルの採用などにより、スポーティーな内装となっています。
おすすめグレードはどれ?
筆者の考えとしては、2WDなら「Z」、E-Fourであれば「Z」または「GR SPORT」をおすすめします。また、シートヒーターが不要であれば「S」も候補に入れても良いでしょう。「G」を検討している方は、「ヤリスクロス」も併せて検討してみましょう。
尚、「Z」と「GR SPORT」に関しては、快適性をより重視するのであれば「Z」、走行性能を重視するのであれば「GR SPORT」になるかと思われますが、基本的な装備はほぼ同じですので、好みの問題と言えるでしょう。
シートヒーターはあった方が良い

筆者の考えとしては、シートヒーターはほぼ必須ではないかと考えています。
今回のマイナーチェンジによってハイブリッドモデル一択となりましたが、ハイブリッド車はエンジンが常時稼働しているわけではないため、ガソリン車と比較して車内が暖まるのに時間がかかります。
また、シートヒーターは「G」や「S」ではオプションで装備することができません。
実際にハイブリッドのヤリスクロスを所有している家族によると、「真冬は暖房が効き始めるのに20分程度かかるが、シートヒーターはONにして1分程度で温かくなるからシートヒーターはおすすめ」と言うほどです。
気温の低い冬季でも快適に運転したいのであれば、シートヒータの装備されている「Z」または「GR SPORT」がおすすめです。
10.5インチディスプレイオーディオPlusが標準装備である

ディスプレイオーディオではなく、従来ながらのカーナビが欲しいという方は「10.5インチディスプレイオーディオPlus」がおすすめです。
10.5インチディスプレイオーディオPlusであれば新車登録から5年が経過した場合でも、車載ナビ機能が使用できます。
一方、8インチディスプレイオーディオの場合、ナビ機能を使用するには新車登録から5年が経過すると、T-Connect契約継続とコネクティッドナビ有料オプションの契約が必要になります(計1,210円/月の支払いが必要になります)。
「S」にもオプションで10.5インチディスプレイオーディオPlusを装備することができますが、その場合には追加で126,500円必要となります。
また、その場合には「S」と「Z」の差額は323,500円となりますので、シートヒーターやヘッド・リアランプ、ホイールデザインなどとの兼ね合いも考慮した方が良いでしょう。
コネクティッドナビに関する詳細はこちらをクリック(トヨタ公式のPDFが開きます)
まとめ

基本的に「Z」または「GR SPORT」を選べば後悔する可能性は低いです。
ただし、シートヒーターが不要であり、暖房が効くのに時間がかかっても大丈夫という方であれば「S」も視野に入れても良いでしょう。
一方、「G」に関してはエアコン吹き出し口やリヤセンターアームレストなど、後部座席の設備が複数省かれています。そのため、3名以上の移動を基本とするのであれば、あまりおすすめできる選択肢とは言えません。
また、「G」を候補に入れる場合、同じトヨタ車SUVである「ヤリスクロス」も候補として検討してみましょう。
引用・参考サイト(画像含む)
- トヨタ カローラ クロス|トヨタ自動車WEBサイト、2025年5月31日閲覧。
- トヨタ 見積もりシミュレーション|トヨタ自動車WEBサイト、2025年5月31日閲覧。
- トヨタ カローラ クロス 主要諸元表、2025年5月31日閲覧。