広島にあるベンチャー企業「KGモーターズ株式会社」が、ミニカー規格の電気自動車「mibot」を発表しました。
発売前ではありますが、mibotの様々な魅力や購入前に検討すべきことについてまとめてみました。
ミニカーの定義と特徴
ミニカーというワードを教習所で聞いたことがある程度で、なじみのない方がほとんどだと思います。そこで、ミニカーの定義や特徴について紹介します。
ミニカーの定義・規格等
ミニカーの定義・規格を以下の表に示します。
項目 | 詳細 |
---|---|
総排気量(エンジン) 定格出力(電動) | 20cc超50cc以下 0.25kW超0.6kW以下 |
定員 | 1名 |
積載量 | 30kg以下 (道路交通法) |
法定速度 | 60km/h |
長さ | 2.5m以下 |
幅 | 1.3m以下 |
高さ | 2.0m以下 |
ミニカーの特徴
ミニカーは道路交通法上、原動機付自転車ではなく普通自動車に区分されています。そのため、ヘルメットの着用や2段階右折は不要です。
また、原付とは異なり、法定速度が60km/hであることも特徴です。そのため、道路の流れに合わせた走行が可能となっています。
更に、ミニカーは道路運送車両法においては原動機付自転車に区分されています。
ミニカーは車検が不要であることや、自動車税(軽自動車税)が3,700円と安いことも特徴です。
ただし、高速道路を走行できないこと、原付免許ではなく普通自動車免許が必要なことには注意が必要です。
軽自動車税について:軽自動車税(種別割)の税額一覧【軽自動車・バイク】
mibotのスペック(一部抜粋)
mibotのスペックを下記の表に示します。
項目 | 詳細 |
---|---|
全長 | 2,490mm |
全幅 | 1,130mm |
全高 | 1,465mm |
ホイールベース | 1,610mm |
最低地上高 | 150mm |
車両重量 | 430kg |
定員 | 1名 |
駆動方式 | 後輪駆動 |
最高出力 | 5kW(≒6.71馬力) |
充電時間 | 5時間(AC100V) |
航続距離 | 100km(30km/h定値走行テスト値) |
タイヤサイズ | 145/70R12 |
最小半径 | 3.54m(開発中につき暫定値) |
最高速度 | 60km/h |
魅力ポイント
軽自動車よりも取り回しがいい
mibotはミニカーのため、軽自動車よりも更にコンパクトであることが特徴です。
軽自動車で人気のあるN-BOXと比較すると、全長約90cm、全幅約35cmコンパクトです。
また、最小回転半径はN-BOXが4.5〜4.8mであるのに対し、mibotは3.54mと、非常に小回りが効きます。
すれ違いが厳しい道などでは、この取り回しのよさが重宝されるでしょう。
N-BOXのスペックについて:主要諸元
軽自動車よりも維持費が安い
先ほども説明しましたが、ミニカーの場合は車検は不要です。そのため、車検にかかる費用を抑えることができます。
また、自賠責保険もコンビニなどで自分で加入でき、保険期間を1〜5年で選択することができます(長期契約ほど、年間保険料が安くなります)。
さらに、任意保険もファミリーバイク特約がある場合、新規に任意保険を契約しなくてもよいというメリットもあります。
任意保険について:任意保険 | KG Motors(KGモーターズ)
気になるポイント
故障などの際、どこで整備してもらえるのか?
まず気になるのが、普段のメンテナンスや故障時のメンテナンス。
普通車や軽自動車であればディーラーに依頼したり、オートバックスなどのカー用品店に依頼したりすると思います。
また、原付やバイク等はバイクショップでの点検整備を行うということがイメージできるかと思います。
では、ミニカー(しかも電動)の場合はどうなるのか?というのが筆者にとっては疑問点です。
公式サイトによると、現時点では検討中とのことです。公式サイトからの発表を待つしかないですね。
公式サイト:メンテナンス | KG Motors(KGモーターズ)
アパートやマンション住まいの場合、充電スペースがあるかを調べておく必要がある
一軒家に住まいの方の場合、屋外コンセントの近くに駐車し、充電することができます。
しかし、アパートやマンション等、集合住宅に住んでいる方の場合、駐車スペースと屋外コンセントとの距離が離れているか、そもそも設置されていない可能性があります。
そのため、集合住宅にお住まいの方は、mibotを充電できる環境にあるかどうかを事前に把握しておく必要があると考えられます。
冬場のバッテリー持続時間が気になる
冬場など寒い日に、いきなりスマホの充電が切れるという経験をしたことのある方は多いのではないでしょうか。
スマホの場合、モバイルバッテリーに繋いで使用することも可能ですが、mibotを含む電気自動車の場合、バッテリーが上がってしまうと動かすことができなくなります。
冬季におけるバッテリー持続性能については実車が出回らないと分からないですが、少しでも寒さに耐えられるものだと良いですよね。
雪道でどれだけ走行できるかが気になる
雪国出身の筆者としては、やはり雪道での走行性能が気になるところです。
あくまでも筆者の予測にはなりますが、mibotは恐らく積雪路での走行にはあまり向いていないのではないかと考えています。理由としては、
- ・後輪駆動であること
- ・最低地上高が150mmと、さほど高くないこと
- ・車体幅が狭く、圧雪路の轍ではバランスを崩しそう
といったものが挙げられます。ただし、いずれも筆者の想像ですので、実際に走らせてみないと分からない面も多そうです。
また、mibotのタイヤサイズは「145/70R12」を採用しており、軽自動車でも使用されることのあるサイズとなっています。そのため、スタッドレスタイヤの購入・装着は可能となっています。
寒冷地試験は今年の冬に行うとのことですので、続報に期待ですね。
まとめ
ベンチャー企業による取り組みであることや、完全電気駆動であること、ミニカー規格であることなど、様々な「初めて」が多い製品であると感じています。
そのため、様々なトラブルや問題が発生するのではないかと思います。
しかし、ここまで一般市民向けに開発されたミニカーは、ほぼ現存しないと言ってもよいのではないでしょうか。
今はテスト段階のようですが、改良を重ねて少しでも良い製品を開発していただきたいものです。
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