AT限定解除審査に無事合格したものの、教習所内の運転のみで本当に公道を走行できるのか、心配になる方も多いかと思います。
そこで本記事では、公道走行に必要となる練習メニューを紹介します。
最初のうちは早朝や深夜など、車の少ない時間を狙って練習してみましょう。
Step1:公道に出る前に
シートポジションやミラーの位置を合わせる
当たり前のことではあるのですが、まずは自分の体形に合うよう、シートポジションとミラー角度を調整しましょう。
特にシートポジションについては、クラッチ操作のしやすさが変わるため、絶対にしておいた方がよいです。
MT車におけるシートポジションの目安としては、クラッチペダルをいっぱいに踏み込んだ時、左ひざが少し曲がる程度になる位置が目安です。
また、肘が少し曲がる程度には背もたれを起こしましょう。
発進・バックを何回か駐車場で行う
公道での練習をする前に、平坦な駐車場で発進・バックを繰り返し練習しておきましょう。
主な目的や理由としては
- 半クラッチの位置を把握する
- 発進に慣れる(発進時が最もエンストしやすい)
ということになります。
慣れないうちは、クラッチを1秒で1cmずつ上げていくようなイメージで。
ある程度エンストせずに発進できるようになったら、公道に出てみましょう。
Step2:半クラッチ・発進に慣れたら
発進がある程度できるようになったら、40~60km/hで走行できるような幹線道路に出てみましょう。
平坦路での加速・減速
まず練習すべき内容は「加速チェンジ」と「減速チェンジ」です。
教習所内では、ほぼ2速までしか使用しないため、3速以上に入れるタイミングが分からないかと思います。また、場内で停車する際はシフトチェンジせずに停車していたかと思います。
しかし、公道で走行する際は、速度に応じてギアを選ばないと燃費が悪化したり、減速する際に必要なブレーキ力が得られにくかったりします。
そのため、まずは比較的運転のしやすい平坦路でのシフトチェンジを練習しましょう。
車種にもよりますが、筆者の場合は以下のようにシフトチェンジしていますので、参考にしてみてください。
- 1速→2速:20km/h
- 2速→3速:40km/h
- 3速→4速:50km/h前後をキープできる場合
- 4速→5速:60km/h前後をキープできる場合
- 5速→4速:50km/h
- 4速→3速:40km/h
- 3速→2速:20km/h
- 2速→1速:10km/h(商業施設等への駐車場に進入する場合など)
減速チェンジは、次のような場面で必要になります。
- 通常の停車時において、制動距離を短くする(エンジンブレーキの力を少しでも確保する)
- 交差点や急カーブを曲がった後、スムーズに再加速する
Yahoo!知恵袋では、通常時の停止場面ではフットブレーキのみで停止するという意見が非常に多いですが、筆者としてはおすすめできません。
なぜかと言うと、万一、前方の車が急ブレーキをかけて停止した場合、エンジンブレーキが不足し、追突してしまう可能性が高くなるからです。
もちろん、すべての場面で減速チェンジする必要はないと思いますが、上記の場面に出くわす可能性も十分考えられるため、減速チェンジは練習するべきでしょう。
下記の動画も参考になると思いますので、ぜひ見てもらえればと思います。
サイドブレーキを引かずに坂道発進(主にゆるい坂道)
バリアフリー法に対応している程度の傾斜であれば、サイドブレーキを引かなくても十分発進することができます。
また、自宅の駐車場などは傾斜が付いていることが多く、アクセルとクラッチを上手く操作しないとスムーズに車庫入れできないです。
このような場面での運転を見越して、サイドブレーキを引かずに坂道発進する練習をしておきましょう。
- 後方確認をし、後続車との距離を確認する
- ギアを「1」に入れる
- 右足をアクセルペダルにサッと移して軽く踏み込み、同時に半クラッチにする
- 半クラッチをキープしつつ、アクセル量を調節する
- 発進できる
サイドブレーキを引かずに坂道発進する場合、3番目の「右足をアクセルペダルにサッと移して軽く踏み込み、同時に半クラッチにする」が難しく感じるかもしれませんが、練習すればできるようになります。
後方に車がいない場面などで、少しずつ練習していきましょう。
また、車庫入れについてはギアが「R」に変わる以外は同じです。
Step3:街中での運転に慣れてきたら
山道走行
山道走行はアップダウンがあるうえにカーブも多いため、シフトチェンジの練習にはうってつけです。
また、登坂車線のあるような道では、適切なギアを選んで走行しないとみるみる失速してしまいます。
尚、山道走行には突然急カーブが現れることがあるため、練習は明るい時間に行いましょう。
ブリッピング
速度を維持したまま、変速ショックなくシフトダウンする際には「ブリッピング」を重宝します。
ブリッピングと言われると、スポーツ走行をする人向けのテクニックに思われるかもしれませんが、ブリッピングは一般道の走行でも使えるテクニックです。
一般道で活用できる場面としては、次のような場面が考えられます。
- 上り坂が長く、アクセルを踏んでも加速が悪い場面
- ゆるやかなカーブを曲がる際、速度をキープしつつ安定して曲がる場面
特に、山道走行においては上り坂で失速する前に、変速ショックを緩和しながらシフトダウンできるというメリットがあります。そのため、山道走行に合わせてブリッピングも練習するとよいでしょう。
ブリッピングを練習するのであればタコメーターがついている方が望ましいですが、ない車種であっても練習自体はできます(僕の場合、タコメーターなしの車で練習していました)。
ブリッピングについては下記の動画が分かりやすいかと思います。
どうしても心配なら「MT注意」マークを貼る
Amazonなどでも販売されていますが、「MT注意」と書かれているマグネットを貼っている車を見たことがある方もいるのではないでしょうか。
このマグネットを後部に貼り付けておくと、多少は車間距離を空けてもらえるかもしれません。
筆者自身も練習車には、下記のようなMT注意マグネットを後部に貼り付けていました。
併せて「🔰初心者マーク」も貼っておくと良いでしょう。
免許を取得してから1年以上経過している方が、初心者マークをつけても罰則等はありません。
まとめ
本記事では教習所内では練習できない内容を中心に、ピックアップしました。
MT車はとにかく慣れです。練習すれば、ある程度は乗れるようになります!
MT車はAT車と比べて、運転に慣れるまでの難易度が高いですが、運転に慣れてしまえばMT車の方がより楽しく運転できますし、その経験や知識はAT車の運転にも活かすことができます。
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