本格的なスポーツカーを購入する前に、MT車の運転に慣れておきたいなどといった理由で、練習用車の購入を検討している方もいるのではないでしょうか。
筆者の場合、納車まで時間があったことや、AT限定解除組のため公道でのMT車運転をしたことがなく、不安であったことなどが要因でMT中古車を購入し、よく練習がてらにドライブしに行っていました。
MT車に乗り始めてから約2年経過し、振り返ってみると、「軽MT車はMT運転の基本が身に付く」と感じています。
本記事では筆者の経験をもとに、MT練習用車には軽自動車をオススメする理由を紹介します。
注:本記事ではあくまで「MT車運転の基本が身に付く」という意味で軽自動車をオススメしています。サーキットなどスポーツ走行向けの内容ではありませんので、ご注意ください。
MT車運転の基本に忠実な運転が身に付く
軽自動車は660ccという小さな排気量のエンジンで、約800kgの金属の塊を動かすことになります。この非力な軽自動車をスムーズに運転するには基本に忠実な運転が必要になります。
つまり、軽MT車を毎日のように運転することで、教習所で教わったような基本に忠実な運転が身に付きます。
特に、MT車の運転上達に必要なアクセル操作やシフトダウンの重要性が、肌感覚でわかるようになります。
基本に忠実な発進手順が身に付く
車体の重さに対して排気量の多いスポーツカーの場合、平地であれば半クラッチさえできれば発進できます。
軽自動車の場合は教習所で教わったように、「アクセルを少し踏みながら半クラッチまでつなぐ」という基本ができてないとすぐにエンストしてしまいます(全く発進できないという訳ではありません)。
しかし、エンストしやすい軽自動車であるからこそ、基本に忠実な発進手順が身に付くと言えます。
また、アクセルを上手く調整しないと発進が難しいからこそ、「MT車はアクセルとクラッチが重要だ」という意味が理解しやすいかと思います。
シフトダウンの重要性が分かる
AT車の場合はもちろんのこと、MT車でもパワーのある車の場合、アクセルを踏めば加速できたり、速度を維持したりすることができます。
しかし、軽のMT車は上り坂が続く場合、道路状況に応じてシフトダウンしないと速度が下がってしまったり、エンストしてしまったりします。
これをプラスにとらえると、軽のMT車に乗ることによってシフトダウンの重要性を学ぶことができると言えます。また、道路状況を掴んで運転することの重要性も学べると言えます。
MT車における上り坂の運転については下記の動画が参考になります。
エンジン音を聞きながら運転する練習になる
軽自動車の場合、タコメーターのついてない車種が多いです。したがって、坂道発進での半クラッチ判断やシフトチェンジのタイミングを、エンジンの音で判断する必要があります。
もちろん、タコメーターがあった方が便利な場面もあるのですが、最終的にギアチェンジの判断はエンジンの音で判断するようになっていきます。
そうであれば、タコメーターのついてない車種を選ぶ方が、早くエンジン音でギアチェンジするクセが身に付くと思います。
また、いちいちタコメーターを確認するよりもエンジン音を聞いてシフトチェンジできるようになった方が、前方注視しやすいというのもメリットです。
どうしてもタコメーターが欲しい!という場合は、通販等で社外品のタコメーターを取り付けることもできます。
クラッチペダルが軽く、MT初心者には扱いやすい
軽MT車はクラッチペダルが軽く、扱いやすいのもポイントです。そのため、正しいクラッチ操作ができていれば、長時間運転していても左足が疲れにくいです。
スポーツカーの場合はクラッチペダルが重い場合が多いですが、操作の仕方自体は軽自動車も同じですので、まずはクラッチ操作に慣れるという観点で軽自動車はオススメです。
クラッチ操作については下記の動画が参考になります(5:52~8:20あたり)。
購入費・維持費が安い
やはり軽自動車は車両価格が安く、練習用車として購入するのであれば、総額20万円程度で程よい中古車が選べます。
筆者の場合は車検・陸送費込みで20万円で練習車を購入しました。
また、軽自動車は元々保険料が安く、ダイレクト型保険を利用すれば更に保険料を安く抑えることができます。
まとめ
軽自動車のMT車は非力ゆえに、基本に忠実な運転が求められます。だからこそ、初心者にとっては練習車としてオススメすることができます。
また、クラッチペダルが軽く扱いやすいことや、費用が安価であるため、お手頃とも言えます。
そして何よりも、軽MT車は非力だからこそ、スポーツカーとは異なる運転の楽しみ方があります。
最初のMT車に、軽自動車を検討してみてはいかがでしょうか。
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