時代が変遷しても無くならない交通違反・事故。速度超過や信号無視など、違反行為が見つかると反則金を支払うことになります。
反則金は違反内容によって様々ですが、それによって及ぼす影響はそれだけではありません。
本記事では、最も多い交通違反や事故を紹介するとともに、交通ルールを順守することによる金銭的影響や費用対効果について解説します。
最も多い違反内容・事故は?
最も多い交通違反
内閣府によると、令和4年度(2022年度)において最も多い違反は「一時停止違反」で、約29%を占めています。
一時停止違反には「指定場所一時不停止等違反」と、踏切直前での一時停止を怠った場合の「踏切不停止等違反」の2種類があり、前者の場合は7,000円、後者の場合は9,000円の反則金を支払うことになります。
一時停止をするのに要する時間はほんの数秒ですが、この数秒を怠ったために7,000~9,000円の反則金を払うのはかなりもったいないですよね。
また、高速道路においては「最高速度違反」で、約70%を占めています。最高速度違反については、程度により金額が変わってきます。
超過速度(km/h) | 車両等の種類及び反則金額(円) | ||
---|---|---|---|
普通車 | 二輪車 | 原付車 | |
35以上40未満(高速道路) | 35,000 | 30,000 | 20,000 |
30以上35未満(高速道路) | 25,000 | 20,000 | 15,000 |
25以上30未満 | 18,000 | 15,000 | 12,000 |
20以上25未満 | 15,000 | 12,000 | 10,000 |
15以上20未満 | 12,000 | 9,000 | 7,000 |
15未満 | 9,000 | 7,000 | 6,000 |
尚、一般道路においては30km/h以上、高速道路においては40km/h以上の速度超過になると免許停止になってしまいます。
仮に東京都~大阪市(東京IC~吹田IC)間約470kmを100km/hで移動した場合、所要時間は4時間40分程度となります。一方、120km/h(20km/h超過)で走行した場合、3時間55分程度と約45分の短縮になりますが、検挙された場合はむしろ時間ロスになるでしょう。
470kmという長距離移動でさえ、20km/hオーバーしても時短効果が1時間に満たないのですから、取り調べに要する時間や反則金15,000円分を稼ぐ時間を天秤にかけると、速度超過はコスパが悪いと言えます。
尚、警察庁が公表している「令和4年中における交通死亡事故の発生状況及び道路交通法違反取締り状況等について」によると、速度超過による検挙数が全体で932,260件であるのに対し、15km/h未満の速度超過は130件と、全体の約0.014%しかないそうです。
推奨はしませんが、「バイパス道や高速道路での14km/hオーバーならほぼ大丈夫」と覚えておくと、いざというときに役立つかもしれません。
(引用:令和5年交通安全白書 第1編第1部第2章第5節 道路交通秩序の維持)
(引用:反則行為の種別及び反則金一覧表)
(引用:令和4年中における交通死亡事故の発生状況及び道路交通法違反取締り状況等について)
最も多い交通事故
令和4年度(2022年度)において最も多い事故は「追突」で30.5%を占めており、次いで多いのが「出会い頭衝突」で25.3%を占めています。この二つを合わせると全体の約6割を占める計算になります。
追突事故は車間距離を十分にとることで発生率を下げることができます。また、見通しの悪い交差点では徐行や一時停止をしたり、見通しの良い交差点であっても周辺には十分に気を配ったりするなどで出会い頭衝突の発生率を下げることができます。
いずれにせよ、交通ルールを守ることが重要です。
(引用:令和5年交通安全白書 第1編第1部第1章第2節 令和4年中の道路交通事故の状況)
ゴールド免許の場合、免許更新後に割引率が下がる!
ゴールド免許を持っている方には、「ゴールド免許割引」というものがあり、任意保険を約10~20%安く契約することができます。
車を所有する際には任意保険を契約していると思いますが、交通違反や事故等をしてしまった場合、免許更新後はブルー免許になってしまいます。
ゴールド免許は「5年以上無事故・無違反」のドライバーのみに交付される免許です。従って、違反等をしてしまうとこの割引は原則受けられなくなります。
「20等級・ゴールド免許」と、「20等級・ブルー免許」の2パターンを想定し、どのように保険料が変化するのか見てみましょう。
ゴールド免許 | ブルー免許 | |
年払い(一括払い) | 33,890円 | 36,990円 |
月払い | 2,960円/月(35,520円/年) | 3,230円/月(38,760円/年) |
5年間の保険料 | 169,450~177,600円 | 184,950~193,800円 |
※試算条件は下記の通り
・等級:20等級
・車種:トヨタ ヴォクシー
・記名被保険者の年齢:35歳
・補償範囲:「記名被保険者とその配偶者に限定する」にし、「同居のご家族等」を26~34歳に設定
車種や契約会社、契約内容によって大きく変化しますが、任意保険の最高等級である20等級を5年間維持してたとしても、ゴールド免許割引の有無によって5年間で約1.5万円の差が付きます。
また、事故により保険を使用すると次年度の等級が3つ下がってしまい、保険料が上がってしまいます。
無事故・無違反を継続することで、保険料を安く抑えることに繋がることが分かったかと思います。
取り調べから反則金納付まで、時間を奪われる!
違反が見つかった場合、取り調べなどに約30分ほど時間を奪われます。また、反則金を納付するには銀行や郵便局の窓口で行う必要があります(コンビニでの納付はできません)。
取り調べから反則金納付まで、1~2時間は奪われることになります。また、免許更新時には違反点数や回数によって講習時間・更新料金が変わります。
優良運転者 | 一般運転者 | 違反運転者 | |
講習時間 | 30分 | 60分 | 120分 |
手数料 | 3,000円 | 3,300円 | 3,850円 |
※手数料の内訳は更新手数料2,500円+講習手数料(優良500円、一般800円、違反・初回1,350円)
※初回更新者の講習時間は違反運転者と同様、120分である
違反等をしてしまうと講習時間が優良運転者に比べて30~90分長くなります。その時間を趣味や副業等に充てることができれば…と思うと、時間的・金銭的にロスと言えます。
死傷者を出してしまった場合はそれでは済まない
違反しただけなら時間と金銭的なロスで済みますが、事故を発生させてしまい、死傷者を出してしまった場合はそれ以上の損失を生み出す結果になってしまいます。
怪我で済んだとしても治療費が高額になってしまったり、社会復帰に時間を要してしまったりします。また、死者が発生してしまった場合、その命が戻ることはありません。
悲惨な事故を防ぐためにも、日ごろから交通ルールを守ることを意識しましょう。
まとめ
交通違反や事故をすることによる金銭的ロス・時間的ロスは意外と大きいです。また、「注意一秒、怪我一生」と言われるように、ほんの数秒確認すれば防げたはずの事故を起こしてしまい、それ以上の損害を出してしまうケースも多々あります。
交通ルールを守り、今日も一日、安全で楽しいカーライフを送りましょう。
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