地方では生活必需品となっている自動車。近年の物価上昇に伴い、維持費に悩まされている人も多いのではないでしょうか。車に乗るうえで様々な維持費がかかりますが、少しでも節約できないだろうかと考える方も多いはず。
そこで今回は、車の維持費を抑える10の方法を解説します。年間・月間の維持費の目安も紹介しますので、少しでも参考になればと思います。
車の年間維持費の目安は?
まず、車の維持費が年間どのくらいかかっているかを把握しましょう。
自動車の維持にかかる費用は主に、自動車税、車検代、任意保険、ガソリン代です。そのほか、人によっては駐車場代や高速道路使用料が必要となる場合があります。
大型SUVや大排気量のスポーツカーなど、年間数十万の維持費がかかる車種もあります。高額な維持費がネックになり、車を購入したものの維持ができずに手放した…という声も。
したがって、希望の車種がある場合、排気量と燃費はよく調べておきましょう。そのうえで、維持費がどれくらいかかるのかあらかじめ把握しておくと、失敗が少なくなります。
普通車の年間維持費の目安
普通車は比較的維持のしやすいコンパクトカーから大人数乗車できるミニバンなど、様々な大きさ・形状の車種があります。そこで、本記事では「コンパクトカー」、「ミニバン・SUV」、「セダン・ステーションワゴン」の3つに分けて記載します。
【コンパクトカー】
自動車税 | 30,500円 |
車検費用 | 75,000円~100,000円 |
任意保険代 | 30,000円~70,000円 |
ガソリン代 | 112,000円 |
駐車場代 | 72,000円 |
日常整備費(オイル交換等) | 20,000円 |
年間維持費 | 302,000円~354,500円 |
月間維持費 | 25,200円~29,600円 |
【ミニバン、SUV】
自動車税 | 36,000円~43,500円 |
車検費用 | 95,000円~130,000円 |
任意保険 | 30,000円~100,000円 |
ガソリン | 167,000円 |
駐車場 | 72,000円 |
日常整備費(オイル交換等) | 30,000円 |
年間維持費 | 382,500円~477,500円 |
月間維持費 | 31,900円~39,800円 |
【セダン・ステーションワゴン】
自動車税 | 36,000円 |
車検費用 | 85,000円~120,000円 |
任意保険 | 30,000円~100,000円 |
ガソリン | 128,500円 |
駐車場 | 72,000円 |
日常整備費(オイル交換等) | 25,000円 |
年間維持費 | 334,000円~385,500円 |
月間維持費 | 27,900円~32,200円 |
※いずれのタイプにおいても、走行距離は年間10,000km、ガソリン代は167円/L(2023/11/17時点)と仮定
※駐車場代は地方での維持を想定し、6,000円/月と仮定
(参考:月極駐車場の相場はどのくらい?賃料を決定する要因も紹介)
自動車税については、エンジンの排気量が大きくなるほど高額になります。そのため、乗りたい車種があるのであれば、排気量を確認することが重要です。
車検費用についても、ディーラーに依頼するのか、それとも民間工場に依頼するのかなど、依頼する場所によって費用が変わってきます。
任意保険については免許の区分(ゴールド、ブルー、グリーン)や等級、契約する保険会社やプランなどによって費用が大幅に変わるので、複数社の見積もりを取るとよいでしょう。
軽自動車の年間維持費の目安
軽自動車の年間・月間維持費の内訳は、基本的に普通車と同様です。
自動車税 | 10,800円 |
車検費用 | 70,000円~90,000円 |
任意保険 | 30,000円~70,000円 |
ガソリン | 92,800円 |
駐車場 | 72,000円 |
日常整備費(オイル交換等) | 20,000円 |
年間維持費 | 260,600円~310,600円 |
月間維持費 | 21,800円~25,900円 |
※走行距離は年間10,000km、ガソリン代は167円/L(2023/11/17時点)、燃費は18km/Lと仮定し、百円未満は切り上げ
上記の金額はあくまでも目安です。乗っている車種によって燃費や車検代などは変化します。また、外車や高級車になれば部品代を始めとしたメンテナンス費用が、車両保険などに加入している場合は保険料がより高くなります。
車の維持費を抑える方法10選
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ここでは、車の維持費を減らす10の方法を紹介します。
○固定費を見直す方法
- 任意保険の契約内容を見直す
- 駐車場を見直す
- 燃料費を少しでも抑える
○可能な点検整備を自分で行うことで、整備費用を抑える方法
- タイヤ交換を自分で行う
- ワイパーゴムを自分で取り替える
- バッテリーを自分で取り替える
○車を乗り換えることで維持費を抑える方法
- 軽自動車やコンパクトカーへ乗り換える
- ハイブリッド車など燃費のいい車へ乗り換える
○車との付き合い方を見直す方法
- 公共交通機関や自転車を利用する
- レンタカーやカーリースなど車の乗り方を変える
方法を一つひとつ確認して、できる部分から実践してみましょう。
固定費を見直す方法
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保険の見積もりを複数社からとる・ネット型保険を選ぶ
複数社から見積もりを取ることで、少しでも安いプランを探すことができます。
特に、ネットの一括見積もりを利用すると、自動車保険の見積もりで必要となる前提条件を一度入力するだけで、複数の保険会社の見積もりを取ることができます。
また、より自分に合った補償内容を選びやすいこともメリットです。例えば、自転車にもよく乗るのであれば、「個人賠償責任保険」がセットになっているものを選ぶのがよいでしょう。
ネット型保険を選ぶのもポイントです。代理店を挟まず直接保険会社と契約できるため、代理店手数料を支払わずに済みます。
駐車場を見直す
駐車場代は、維持費用の中でも大部分を占めています。月極駐車場を利用している場合は、駐車場を見直すことが重要です。
駐車場代は地域や立地条件等によって差があります。同じ地区・町内等でも、舗装された駐車場に比べて未舗装の駐車場は比較的安価など、駐車場によって料金が異なってきます。条件に合わせて、少しでも安い駐車場を選ぶことがポイントです。
燃料費を少しでも抑える
通勤通学や買い物など、車を多用する人にとっては燃料費を少しでも抑えることが重要になります。ガソリン代を支払う際、会員割引やクレジットカード払いにすることで、少しでも安くガソリンを入れることができます。
よく利用するガソリンスタンドがオリジナルのクレジットカードを発行している場合、クレジットカードで支払うとガソリン価格が割引されることもあります。よく利用するガソリンスタンドがあれば会員になることや提携のクレジットカードを作ることを検討してみましょう。
また、最近ではスタンドのLINEアカウントを登録することで、クーポンが定期的に発行されます。
クレジットカード割引とLINEアカウントからのクーポンをダブルで活用し、ガソリン代を上手に節約しましょう。
可能な点検整備を自分で行うことで、整備費用を抑える方法
![](https://carlover-and-investor.com/wp-content/uploads/2024/01/26920342_s.jpg)
タイヤ交換(履き替え)を自分で行う
降雪地域に住んでいる方は年に2回、ノーマルタイヤとスタッドレスタイヤを履き替えることになります。タイヤ履き替えはガソリンスタンドやカー用品店などで行ってもらうことも可能ですが、その際にはタイヤ4本当たり8,000円~数万円の工賃が発生します。
タイヤ履き替えにはジャッキとクロスレンチ、トルクレンチがあれば作業可能ですし、作業難易度も低めです。
1~2万円あれば上記の工具類はホームセンターなどで揃えられます。また、自分で作業を行うことで工賃を節約できるだけでなく、店舗の混雑状況(特に11月下旬~12月上旬)にも左右されないというメリットもあります。
(参考:タイヤ交換の費用相場は?業者や内訳の比較・安くする方法を解説!)
ワイパーゴムを自分で取り替える
雨天時には視界を確保するうえで重要になるのがワイパーですが、ワイパーゴムは紫外線などによって劣化します。ワイパーゴムの交換に関しても、ガソリンスタンドやカー用品店などで行ってもらうことも可能ですが、その際には部品代に加えて工賃が必要となることが殆どです。
ワイパーゴムの交換に関しては基本的に工具が無くても作業ができ、慣れれば5~10分程度で交換できます。
(参考:ガラコワイパーゴムの交換方法:国産車用)
バッテリーを自分で取り替える
車種や使用状況などにもよりますが、バッテリーの交換目安は2~3年と言われています。つまり、基本的には車検毎に取り替えるのが目安になってくると言えます。
(参考:車のバッテリーの寿命と交換時期の判断方法をプロが解説)
ホームセンターや通販でバッテリーを購入することができます。感電やショートには注意しなければいけませんが、工具自体はスパナなど一般的な工具があれば作業することができます。
チャレンジしてみたいけど、感電が怖い…という方は、絶縁スパナを使用するのも手です。
車を乗り換えることで維持費を抑える方法
軽自動車やコンパクトカーへ乗り換える
軽自動車やコンパクトカーは、比較的排気量や車体重量が小さいため、自動車税や自動車重量税などを安くできます。
また、タイヤサイズも比較的小さいため、タイヤ代を安く抑えることができます。
車両価格も他のボディタイプに比べると安いので、維持費用をとにかく抑えたいという方は軽自動車やコンパクトカーを選ぶとよいでしょう。
ハイブリッド車やディーゼル車などを検討する
ガソリンモデルで燃費15km/L、ハイブリッドモデルで燃費25km/Lの車種があるとします。年間10,000km・ガソリン単価167円/Lで使用したとすると、ガソリンモデルでは年間111,333円であるのに対し、ハイブリッドモデルでは年間66,800円となります。
本ケースの場合、ハイブリッドモデルを選ぶと年間44,533円のガソリン代が節約できることになります。
最近ではミニバンやSUVでも、ハイブリッドモデルが設定されている車種も増えてきました。SUVに乗りたいけど燃費を抑えたいという方や、通勤等で長距離運転するという方は、ハイブリッドモデルなど燃費の良いモデルを検討するのが有効であると言えます。
車との付き合い方を見直す方法
公共交通機関や自転車を利用する
車は移動手段として非常に便利ですが、場面を問わずフルで使用していると、ガソリン代や駐車料金などがかさんでしまいます。そのため、状況に応じて様々な移動手段を使い分けることが重要です。
例えば、長距離移動時には公共交通機関を利用したり、近距離移動時には自転車や徒歩で移動したりするなど、車を使う頻度を減らすことでガソリン代や駐車料金・高速道路料金を抑えることができます。
また、自治体によっては自宅の最寄り駅まで自家用車で移動し、バスや鉄道に乗り換えて通勤・通学するという「パークアンドライド」を推進しているところもあります。別途運賃の支払いが必要になりますが、渋滞を気にする必要が無くなるほか、移動時間を読書やニュースの閲覧などに使えるようになるというメリットもあります。
カーリースやレンタカーなどを活用する
税金や保険料など維持費用を含めた定額料金を毎月支払うことで、車を利用することができる「カーリース」や、必要なクラスの車を借りる時間に応じて使用料を支払う「レンタカー」を活用するのもおすすめです。
カーリースを活用することで、契約期間によっては車検を迎える前に返却したり、新しい車に乗り換えたりすることができるため、車検代を節約できる場合があります。所有にこだわらない方は、カーリースを検討してみましょう。
また、必要な時にだけレンタカーを使用するのもおすすめです。例えば、家族旅行でゆったりと移動するときにだけミニバンを借り、普段は軽自動車やコンパクトカーを使用するというのも一つの手段として考えられます。
まとめ
![](https://carlover-and-investor.com/wp-content/uploads/2024/01/26824559_s-3.jpg)
車には年間で多額の維持費がかかりますが、上手く見直せば抑えることができます。車の使い方や任意保険の見直し、セルフメンテナンスなどによって、維持費を節約可能することができます。また、車の買い替えを検討しているのであれば、燃費のいい車や軽自動車等を選ぶことで、車の維持費を節約することができます。
実践しやすいことから始めて、少しでも車の維持費用を安く抑えましょう。
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