本記事は2013年〜2023年に販売された第3世代BMWミニのうち、3・5ドアハッチバック(F56・F55)およびコンバーチブル(F57)に関する記事です。
クラブマン(F54)およびクロスオーバー(F60)に関しては、別記事で公開します。
3代目BMWミニは街中でもよく見かけますが、古いモデルだと製造から10年以上経過しています。
また、ミニをはじめとする外車は整備費用が国産車よりも高い傾向にあります。
さらに、自動車用バッテリーは消耗品でありながらも高価なため、少しでも費用を抑えたいと考える方も多いはずです。
本記事では、3代目BMWミニ(F55・F56・F57)に対応しているバッテリーをまとめてみました。
交換を検討している方や、バッテリー上がりで必要な方、オススメが分からず迷っている方は参考にしてみてください。
適合しているバッテリー型式について

3代目ミニは全車種ともに、「LN3 AGM」または「LN4 AGM」が標準装備となっています。
ただし、一部「LN3 EFB」または「LN4 EFB」が搭載されているものもあります。
また、LN3とLN4ではサイズが異なるため、必ず現車確認を行ってください。
不具合を避けるためにも、「LN⚪︎ AGM」と記載のあるバッテリーを使用している車種は、必ず「AGMバッテリー」を使用してください。
EFBバッテリーを取り付けているモデルについては、EFBバッテリーを取り付けるのが良いでしょう(AGMバッテリーを購入した場合でもサイズが同じなら取り付け可能ですが、バッテリー劣化が早まる可能性があります)。
尚、自動車検査証(車検証)の型式欄を事前に確認しておくと、EFBバッテリーが取り付けられている可能性があるかどうか判別しやすくなります。
LN3とLN4ではバッテリー本体の長さが異なります。LN3は278mmであるのに対し、LN4は315mmです。
異なるサイズのバッテリーを購入した場合、取り付けできない場合やバッテリー上がりを起こしてしまったりする原因にもなりますので、よく確認しておきましょう。
5ドアハッチバック(F55)

F55はガソリン車・ディーゼル車共に、「LN3 AGM」または「LN4 AGM」が標準装備となっています。
ただし、以下のグレード・型式は「LN3 EFB」または「LN4 EFB」が搭載されているものもあるようです。
- クーパー(型式:DBA-XS15)
- クーパーS(型式:DBA-XS20)
※いずれもガソリン車
※BOSCH車種別適合品サーチによる調査
3ドアハッチバック(F56)

F56はガソリン車・ディーゼル車共に、「LN3 AGM」または「LN4 AGM」が標準装備となっています。
ただし、以下のグレード・型式は「LN3 EFB」または「LN4 EFB」が搭載されているものもあるようです。
- ワン(型式:3BA-XR15MW、DBA-XR15、DBA-XR15M、DBA-XU15、DBA-XU15M)
- クーパー(型式:DBA-XM15)
- クーパーS(型式:DBA-XM20)
- ジョンクーパーワークス(型式:DBA-XMJCW)
※いずれもガソリン車
※BOSCH車種別適合品サーチによる調査
コンバーチブル(F57)

F57は「LN3 AGM」または「LN4 AGM」が標準装備となっています(F57にディーゼル車はありません)。
ただし、以下のグレード・型式は「LN3 EFB」または「LN4 EFB」が搭載されているものもあるようです。
- クーパーS(型式:CBA-WJ20M、DBA-WG20)
- ジョンクーパーワークス(型式:DBA-WHJCW)
※BOSCH車種別適合品サーチによる調査
おすすめのバッテリー
VARTA SILVER DYNAMIC AGM

VARTA(バルタ)はドイツに本社を置く企業です。創業1887年と、歴史の長い企業となっています。
VARTAは電池に特化した企業となっており、電池に関するノウハウが多いと言えるでしょう。また、日本ではあまりなじみがありませんが、世界ではNo.1のシェアを誇るメーカーです。
Silver Dynamic AGMはBMWカスタムショップでの取り付け実績もあることから、バッテリー選びで失敗したくない方としては選択肢の候補に入れても良いでしょう(採用例:F56 MINI CooperS VARTA SILVER DYNAMIC AGM。|アルツモトーレンバウ)。
Amazonでは★4.4(2025年5月16日時点)と非常に高い評価を得ています。
重さはLN3が20.3kg、LN4が22.9kgと重く、力に自信のない方は町工場に持ち込んで取り付けて貰う方が安心でしょう。
(公式サイト:ja-jp | Varta Automotive)

BOSCH BLACK-AGM

BOSCH(ボッシュ)はドイツに本社を置く多国籍企業です。創業は1886年と、約140年の歴史がある企業です。
BLACK-AGMも同様、BMWカスタムショップでも使用されおり、バッテリー選びで失敗したくない方としては選択肢の候補に入れても良いでしょう(採用例:MINI F56 JCW バッテリー交換 BOSCH BLACK AGM|アルツモトーレンバウ)。
Amazonでは★4.5(2025年5月16日時点)と非常に高い評価を得ており、信頼性の高いバッテリーと言えるでしょう。
重さはLN3が20.6kg、LN4が23.4kgと、VARTA SILVER DYNAMIC AGMよりもさらに重いです。
(公式サイト:BLACK-AGM|モビリティアフターマーケット ジャパン)

BOSCH BLACK-EFB

こちらはBOSCHのEFBバッテリーです。
EFBバッテリーを搭載している場合は、こちらを選んだ方が安心でしょう。
重さは不明ですが他のバッテリー同様、20kg以上はあると考えられます。
(公式サイト:BLACK-EFB|モビリティアフターマーケット ジャパン)

現車確認の手順

必要工具
- コイン(10円玉など)
- ソケット(8mm・10mm)
- ラチェットレンチ
- エクステンション
- ソケットドライバー(8mm・10mm)
- メジャー
※バッテリー交換には、上記以外の工具も必要になります。
作業手順
現車確認する際の作業手順は下記の通りとなります。尚、引用元のページではよりわかりやすく解説されてますので、そちらもぜひ確認していただけたらと思います。
参考・引用(画像含む):バッテリー周辺カバーの取り外し|みんカラ
1.ボンネットを開け、ウェザーストリップを引き抜く

画像の赤枠で囲われたウェザーストリップ(モールみたいな部品)を外します。
ボルトなどで締結されているわけではないため、上方向に引き抜くだけです。
2.クリップを引き抜く

赤丸内のクリップを上に引き抜きます。
手を滑らせたりしてエンジンルーム内に落とさないよう、注意しましょう。
3.カバー類を外す

エンジンルーム内の右奥側に、上記画像のような箇所があります。
赤丸⚪︎の箇所はコインなどで90°回します。青丸⚪︎の箇所は対角8mmのボルトで締結されているため、8mmのソケットドライバーなどで外します。黄色丸⚪︎の箇所は対角10mmのソケットドライバーなどで外します。
上記の状態でまず奥側のカバーを外し、その後手前側のカバーを外すとバッテリーが現れます。
4.ラベルを見る・寸法を測る

バッテリー上面にラベルが貼ってありますので、その表記を確認します。
AGMバッテリーであれば「AGM(またはVRLA)」の表記があります。また、EFBバッテリーであれば「EFB」の表記があります。
次に、上記画像の「L」方向の長さをメジャーなどで測ります。長さが278mm程度であれば「LN3」になります。また、長さが315mm程度であれば「LN4」になります。
上記をまとめると、次のとおりとなります。
- AGM(またはVRLA)表記・長さ278mm…LN3 AGM
- AGM(またはVRLA)表記・長さ315mm…LN4 AGM
- EFB表記・長さ278mm…LN3 EFB
- EFB表記・長さ315mm…LN4 EFB
バッテリー交換作業も含め、下記の動画もわかりやすいです。
ネットでバッテリーを購入するときの注意点

適合を必ず確認する
同一モデルであるにも関わらず、LN3 AGMを採用しているものもあれば、LN4 AGMを採用しているものもあります。さらに、AGMバッテリーではなくEFBバッテリーを採用しているケースもあります。
3代目MINIのバッテリーはカバーで覆われているため、実際に取り付けられているバッテリーが何なのかを確認するのが少し手間ですが、バッテリーは高価なため、必ず現車確認を行なってください。
出品者情報に気をつける
どのバッテリーにも共通して言えることですが、製造何月が経過したバッテリーを出品している人には気を付けた方がよいです。
酷い場合、製造何月から1年以上経過しており、充電しても使用できなくなっている事例もあります。
最安値で購入したくなる気持ちは分かりますが、出品者の評価にも気をつけましょう。
廃バッテリーの処分方法を調べておく
カー用品店や工場など、業者にて交換依頼する場合は基本的に大丈夫ですが、自分でバッテリーを交換する場合は廃バッテリーを回収してくれる業者・店舗を事前に探しておいた方が良いです。
近くに金属買取業者がある場合、業者にもよりますが1,000円程度で買い取ってくれるためお得です。
まとめ

AGMバッテリーを搭載しているのであれば「VARTA SILVER DYNAMIC AGM」または「BOSCH BLACK-AGM」、EFBバッテリーを搭載しているのであれば「BOSCH BLACK-EFB」がおすすめです。
これらのバッテリーはいずれもAmazonで★4以上を獲得している商品であり、BMWカスタムショップでも紹介されていることから、購入しても失敗しにくいと言えるでしょう。
ただし、適合性には注意が必要です。
F55・F56・F57に適合しているバッテリーは「LN3 AGM」または「LN4 AGM」が基本ですが、一部「LN3 EFB」または「LN4 EFB」が搭載されているものもあります。
これを確実に把握するためにもエンジンルーム内にあるカバー類を外し、実際に取り付けられているバッテリーを確認することが重要です。
また、通販でバッテリーを購入する場合は不良品をなるべく避けるため、出品者情報もあわせて確認しておいた方がよいです。
自分でバッテリー交換にチャレンジし、少しでもお得にMINIライフを楽しみましょう!